滋賀県 びわこだいなか愛菜館にいってきました
なかなか農産品直売所では、スタッフの不足や日々の仕事で忙しかったり
施設の設備上の課題などで体験の導入がリアルに想像できず
進めない現状があります。
具体的な実践としてのリアルな声が届くように、
びわこだいなか愛菜館で今まで実施した食農体験の取り組みについて
お話をお聞きし、実際に直売所や道の駅で食農体験に取り組むためのヒントを探してきました。
(右の写真は今回取材に応じてくれた「びわこだいなか愛菜館 北川店長」です)→
お話聞いてきました!
≪質問1. びわこだいなか愛菜館について教えてください。≫
滋賀県の琵琶湖から車で5分ほどの場所に立地しています。
琵琶湖にはお昼の休憩などでよく行きます。
地平線を見ると自分の気持ちが大きくなりますね。
愛菜館では、三重県南伊勢市の魚の仕入れを現在計画していて
本日も三重県へ従業員が現地調査や配送方法の打ち合わせをしてきます。
また、館内にある肉加工場を広げ、よりお客様に喜んでいただけるよう
売り場の充実化を計画しています。
県内外の新鮮な野菜を仕入れており、
男性正社員3名(平均年齢31歳)パートスタッフ約10名で取り組んでします。
≪質問2. 直売所の取り組みについて(実施しているイベント、販売方法について)≫
7月には創業祭、11月には収穫祭など季節に合わせたイベントをしています。
さつまいもやドライフルーツの試食販売、
食材の栄養価や効能・レシピの展示、生産者からは、
白菜の特徴を書いたメモを袋に貼ってもらったりしています。
≪質問3. びわこだいなか愛菜館で実施している食農体験について≫
じゃがいもを収穫して、じゃがバターづくり体験、品種の食べ比べなど、
さつまいも・じゃがいも・白菜・大根の収穫など
主に畑を利用した体験の取り組みをしています。
取り切れないキャベツ畑を利用して、持ってけドロボー収穫体験500円詰め放題など。
さまざまな業務があるなかですが、状況をみて生産者側のニーズに沿った体験も実施しています。
夏には流しそうめん、スイカわりなどのイベント。
スイカはおもったよりまるいなぁ、おもったよりかたいなぁと、
目隠した子どもたちが五感で気付く体験も取り入れています。
羊をかりてふれあい遊び、田んぼにむかって長靴投げや、
野菜に向けて輪投げ、今月にはお魚まつり。
毎週日曜日にはレタス農家さんの協力のもとに作った「ピザ釜」を利用してピザづくりをしています。
なかなか、手作りだとお店に並んでいるようなピザが作れなかったりと
不慣れな大変さもあるが、人がくるとやはり励みになります。
≪質問4. どうして体験を始めたのですか?≫
将来的な集客に向けて体験を導入しています。
やはり野菜が美味しいので、
農村にイベントできてほしいですね。若い人もきますし。
≪質問5.協力者はどうやってつくったのですか?≫
京都大学の農業系大学サークルがお手伝いをしてくれた体験がありますが、
もともと愛菜館に野菜を買いにきてくれたことがきっかけで
手伝ってくれるようになりました。学生さんには報酬は焼肉でした。
また様々な講習会や研修に出て人脈作りをしています。
お客さんや生産者を大切にすることが必要です。
≪質問6.お客さんを呼ぶ方法はどうしていますか?≫
今は時代もあり、Facebookでの掲載やチラシの配布、
タウン誌や子育てママ向けの雑誌に掲載しています。
≪質問7.体験の金額はどうやって決めていますか?≫
を同じくらいの金額で取り組んでいます。
専属のスタッフで体験を実施していく場合は、
ひとりの従業員で最低1年間に300万くらいは必要ですね。
900万ほどの売り上げになれれば、ひとり体験専属ができると思います。
来てもらえるキャッチが必要です。
≪質問8.実施してよかったなとおもったことはなんですか?≫
野菜を売っているだけじゃない、多角的にお店を意識してもらうことができます。
チラシ一枚で変わりますね。
体験の実施はたのしいです。
いつもと違うことをする気持ちが励みになると思います。
お味噌をやってくれる、おばあちゃんは元気になってくれる。
スタッフも来て取り組んでくれます。
お店がめざしてくれることをわかってもらい、愛菜館は野菜だけではないことを
知ってくれる場になります。
お店のお客さんとより深く知り合いつながるきっかけになります。
ただ、導入する際に、なかなかもうからない面もあるかと思います。
将来的な投資としても体験には工夫が必要です。
今後は5月~6月末には田んぼの苗植え体験などをしたいと思います。
びわこだいなか愛菜館さんありがとうございました!
取材日 平成29年2月27日